事の発端はコロナ禍におけるオンライン会議に必要な機材だったのだけど、色々あって色々試したので、適当にメモしておく。なお、オーディオインターフェイス機能のないミキサは省略。
最初の頃の話
コロナ禍の初期(概ね2020年3月頃)に世間はいきなりテレワーク、オンライン会議とかいう話になって、私の仕事的にはそうはならなかったのだけど、ともあれ先の状況が読めないのでとにかく準備しようと思ったが、その時点で
- オーディオインターフェイス M-AUDIO Audiophile USB…ヘッドホン接続用に使用していた。LINE入力はあるがマイク入力はない
- マイクアンプ audio-technica AT-MA2…なぜ持っていたのか不明
- マイク カスタムトライ CM-2000
が手元にあり、試したことはなかったがとにかくつなげば使用できる機材が手元にあって、取り急ぎマイクアームだけ買ったが、Audiophile USBはドライバのせいなのか不安定でOSを巻き込んで落ちる癖があり(そもそもかなり古く、Windows XP時代の製品だと思うし…)、安定的に使用できる機材があった方がよいと認識した。
この時点でAudiophile USBとAT-MA2はディスプレイの左下の隙間に置いていた(アームの後ろに見える緑色のLEDがAT-MA2)。
この後に取り敢えず買った1in/0outのBehringer MIC 2 USBはまあ使えたんだけど、ゲインが不十分で(いうて音量はZoomなりDiscordなりでどうとでもなるが…)、この辺が沼にはまるきっかけになった。前後してマイクはもうちょっとまともなものがあった方がよいのではないかと思い、Shure PGA48を4,000円強で買った。なお、この時点でShureというメーカーこそ知っていたがSM58が定番と言われていることすら知らなかったので、今となってはよくPGA48に辿り着いたなという感じはするし、目的に照らしてバランスのよい選択だったと思う。
また、PGA48もそうだがこの頃からコロナ禍における需要増や半導体不足などによって以前のような価格で手に入らないとか、今まで普通にあった製品でも長期にわたって在庫がないとかいうことが度々起こるようになった。
Behringer UM2
安価な2in/2outでいちばん定番のやつ。コロナ禍前は5,000円を切っていた時期もあり、入門用だとか取り敢えず使えればいい人向けみたいな扱いを受けていたようだが、その後は在庫がなくなったりかなり値上がりしたりしている(2023年には8,000円台になっている)。私自身は2020年9月購入で、当時はまだ5,000円台だった。
当時は飽くまでマイク入力用デバイスという認識だったが、別件で前々から気にしていたこととしてメインのディスプレイはHDMI接続でスピーカー内蔵だが(2020年時点で)10年以上経過しており、いい加減に買い換えたいと思っているが近頃のディスプレイでスピーカー内蔵タイプを探すと大幅に選択肢が狭まるので、今後は別にスピーカーを接続することは避けられないだろうからいっそオーディオインターフェイス経由の出力とした方がよい気がして、UM2に接続するスピーカーを購入した。そしてAudiophile USBを引退させ、ヘッドホンもUM2経由にすることにした(なおそのディスプレイは2023年11月に約15年半ぶりに買い換えた)。
そんな感じでUM2は私のニーズにマッチして安定的に動作していたが、諸般の事情によりスピーカーの音量とヘッドホンの音量を別々に調整したいと思うようになった(UM2はボリュームノブが1つしかなく別々に調整できないし、この種の機器はラジオみたいにヘッドホンを挿してもスピーカー出力が切れたりせず、同時出力になるものが多い。更にここに置くから操作性が悪いのもあったが…)。
また、コロナ禍でコミケが中止(C98)・延期(C99)となり、自宅にいる時間が増え時間ができたこともあってVtuberの沼にはまったところ、配信機材・環境にこだわる配信者がいて、機材に興味を持つようになった(後から振り返ると特に誰というのは思い当たらないが、バイノーラルマイクは別としても何十万円もするマイクやオーディオインターフェイスを使っている話は珍しくなかった。ただ結局のところマイクはトークであればダイナミックマイクで十分だし、オーディオインターフェイスの良し悪しは音質より操作性だと思うようになった)。
更にこの頃から自宅で使う他に会場を借りてオンライン会議をする際に使用できる機材に興味が湧き、ある程度の規模のUSBミキサならマイナスワンができることを認識したが、自前でそんなに多チャンネルのUSBミキサを買っても使いようがないと思っていたところ、Soundcraft Notepad-5は5chミキサでありながら(実質的に)マイナスワンができることを知って、飽くまでテスト用に買った。ちなみにNotepad-5はASIO対応だが、私の使途はDAWではないのであまり意味はない。下の写真はとにかく色々接続してテストみたところ。
M-AUDIO M-Track Duo
前出の通りAudiophile USBを持っていたのでM-AUDIOの音質についてはある程度信頼していたが(買収を繰り返されているのでいつの時代のM-AUDIOなのか、はあるが…)、スピーカーの音量とヘッドホンの音量を別々に調整できるオーディオインターフェイスが2021年2月に6,000円前後で出た。大変安価なせいかしばらく欠品が続いていたが、在庫が復活した頃に取り敢えず買ってみた(2022年3月)。こちらもASIO対応ではある。
音質や操作性には問題がなかったが、ときどき音声入力がエラーも出ずに死んでしまいUSBデバイスとして再接続するまで復旧しないという謎症状に見舞われ、ドライバの問題なのかもっと複合的な問題なのかよくわからないが(発売されたばかりとはいえ同種のトラブル報告は見当たらなかったし、出力は生きてるのですぐに気づかない)、めんどくさいので使用を諦めた(1年経過した2023年3月現在、Amazonでは6,000を超える評価がつく人気製品だが類似のレビューがないので、私の環境の問題のような気はする)。
なお、M-Track SoloはUM2と同じくスピーカーの音量とヘッドホンの音量を別々に調整できないからDuoにしただけで、2本目のマイクを接続する予定は元々なかった。
Soundcraft Notepad-5
スピーカーの音量とヘッドホンの音量を別々に調整できる機能がどうしても捨てきれず、これ以上他のオーディオインターフェイスを買うのもアレなので先に買っていたNotepad-5をメインにすることにした。Notepad-5の私にとっての問題はファンタム電源がオフにできないことで、これは事実上Notepad-5の電源を落とさないとマイクを交換できないという意味になるが、もう常時PGA48でいいことにして(色々テストするためにこの間にコンデンサーマイクを含めて他のマイクも買っていたが)、これを常用することにした。
Notepad-5はソフトウェア的に(PCへの)入力を切り替えられるため、Mix L+Rにするとループバックができるが、ゲーム実況とかしないので特にこの機能は使っていない(なおソフトウェア的なループバック機能があるのは、私が持っているデバイスの中で多分Notepad-5のみ)。なお、そもそもこうした切り替えのできないミキサはMASTER OUTがUSBによるPCへの入力となるのが普通で、USBインターフェイス代わりに使うには難がある場合が多いと思う。
CLASSIC PRO AM02
これはもともと自分で使うために買ったものではないが、当該ページを参照。
Behringer UCA202
何のために買ったのか覚えていないが、LINE IN/OUTがあるだけのオーディオインターフェイス。ハイブリッド(オンライン)会議に必要な機材の話を参照。写真はUCA222になっているが、UCA202とはただの色違い。
Behringer Q1202USB XENYX
同じく自分が使うために買ったものではないが、ハイブリッド(オンライン)会議に必要な機材の話を参照。
TASCAM iXZ
USBオーディオインターフェイスではなく、スマホやノートPCなどのTRRSジャックに接続するためのデバイス。小さいので持ち歩くのに適している。ダイナミックマイクやコンデンサーマイクをXLR接続できるが、主にはライン入力をスマホに入力するために使用している。単にライン入力ならスマホにUCA202を接続することもできるが、UCA202だとスマホを充電しながら使用するには何らか別のケーブルが必要になるので…。
TASCAM DR-40X
ライン入力を録音するICレコーダーが欲しかったのでDR-40でもよかったが、1クラス上の機種にするとUSBオーディオインターフェイス搭載だったのでそちらにした。動作することは確認しているが、主な使途が録音用なのでオーディオインターフェイスとしてはあまり使っていない。こちらもASIO対応。
当たり前だがメインはICレコーダーであり、そこそこなマイクを内蔵しているのでUSBマイクのような使い方もできるし、外部マイクをXLR接続することもできるので1台あれば色々使えるが、そんなに安くはない。
PreSonus AudioBox GO
2022年2月発売の比較的新しくコンパクトな機種。2023年2月購入。メーカー的にはソフトウェアのStudio Oneが有名過ぎてハードウェアの話をあまり聞かないが、このミニサイズでもMIXノブがついてる辺りはさすがという感じはする(知らんけど)。こちらもスピーカーの音量とヘッドホンの音量を別々に調整でき、かつASIO対応。
MIXノブの本来の使途ではないが、オンライン会議の際はこれがあった方が、外部音声の音量とローカルの(AudioBox GOに接続されている)マイクの音量のバランスを取りやすい。UM2みたいにDIRECT MONITORのオフ・オンしかないオーディオインターフェイスの場合、GAINとOUTPUTによりマイクの音量が決まってしまい、それに外部音声の音量を合わせることしかできない(ただしそもそもDIRECT MONITORはそういうことをする機能じゃない)。
価格も1万円を切り、初めてオーディオインターフェイスを買う人には手持ちの中でいちばん無難な感じ(UM2も無難だったが、最近8,000円台でAudioBox GOと価格差がなく…)。ただしループバック機能はないので使用目的次第。
番外編:ZOOM AMS-44
2022年6月発売。最初から寄贈目的で買ったものだったので動作確認のみ。4in/4outのオーディオインターフェイス。177gしかなく、AudioBox GO(240g)よりも軽い。4inという時点で楽曲制作向きな面もあるが「革新的なMUSIC / STREAMING切替スイッチ」なるものがあり、STREAMINGにすると4chを単にMIXしてPCに入力できるので、まさに配信・オンライン会議用機材になる。オーディオインターフェイスでこんなスイッチがある機種はおそらく珍しい。
また、単に電源供給をしてDIRECT MONITORをオンにするとUSBデバイスとしてではなくゲインと出力しか調節できない簡易ミキサのように動作する。
その他、側面にループバックやダイレクトモニタのON/OFFスイッチがあるなど、華奢な筐体に極めて割り切ったというか特化した機能になっているが、とはいえZOOM製(Zoom Video Communicationsとは関係のない、録音機器等の製造会社)なので品質はまあさすがにという感じ。
手持ちの機材で同様にマイク4入力が可能なものはQ1202USB XENYXがあるが、同機種もいくらコンパクトミキサーとはいえ1.5kgある上にACアダプタが別にあり、細かい調整を要しない会議用途としては冗長な面もあるので、それと比べるとAMS-44は可搬性がよく、とにかくマイクが3~4本必要な会議用途としては希少な選択肢だと思う。
(2023.01.28 – 2023.12.03)