YAMAHA RT58i

ちょっとよさげなルータ。2008年7月購入。いわゆるブロードバンドルータ機能以外にISDN TAやSIPクライアントの機能があり、アナログ電話も接続できる。

ことの発端はNTTからレンタルしていたWebCasterV110が頻繁にハングアップするので、まともなルータが欲しいということだったはずで…年に2回もハングアップしたら十分頻繁ですよ。

050 IP電話を収容する

単に本機は「SIPクライアント機能がある」というだけで、ATA(Analog Telephone Adapter)として使用するというのが適切な表現かも。
なお050 IP電話のサービスによっては、SIPの設定がユーザに見えないような仕組みになっているかも知れず、それが最大の壁かも知れない。ブラウザ上では見えないがHTMLソースを見ると書いてあったりとか、大体そんな感じかと。キャリアのサポートはされない(≒動いたらラッキー、動かなければ自己責任)と思った方がよいと思う。

sipアドレス050xxxxxxxx@sip.example.ne.jp
サーバアドレス10.0.0.1
ユーザIDusername
パスワードpassword

という内容だと

sip server 1 10.0.0.1 register udp sip:050xxxxxxxx@sip.example.ne.jp username password

みたいな感じ。SIPアドレスは「電話番号@ホスト名」形式が一般的だと思う。

ポートの設定

大体こんな感じ。1ポートしか使わないなら2ポートの設定は消しておけばいいと思う。

analog arrive number display 1 on
analog sip arrive permit 1 myname
analog sip call myname 1 sip:050xxxxxxxx
analog arrive number display 2 on
analog sip arrive permit 2 myname
analog sip call myname 2 sip:050xxxxxxxx
analog supplementary-service pseudo call-waiting
analog extension dial prefix line
analog extension dial prefix sip prefix="9#"
analog extension dial prefix port=1 routing route-table=1 server=1
analog extension dial prefix port=2 routing route-table=1 server=1
analog call route-table 1 1 2
analog call route 1 [2-9]* 03[2-9]* server=1
analog call route 2 * server=1

それぞれのコマンドはリファレンスを見ればよいとして、

  • analog sip call mynameを設定しないと、意図しないものが着信することがある(Asteriskを使用したいたずらみたいだけど)
  • analog call route-tableは、市外局番(この場合03)を省略するためのルールである(ダイヤルされた番号の先頭が2~9の場合は03を先頭に付加するというルール。実際には3~6しか存在しないけどともかく…)。例えば市外局番0242なら下から2行目が以下のようになるが、機械的に付加するので、加入電話で同じ市外局番が省略できたりできなかったりする地域(048とか?)でも常に市外局番が付加される(実害はないが同じ動作にはならないという意味で)
analog call route 1 [2-9]* 0242[2-9]* server=1

短縮ダイヤル(おまけ)

前述のanalog call routeはダイヤルされた番号にprefix(ここでは市外局番)をつけるだけでなく、番号の書き換え規則を自由に作れるので、これを利用して短縮番号を作ることができる。例えば

analog call route 3 20 080xxxxxxxx server=1

として、上のroute-tableに

analog call route-table 1 3 1 2

みたいにルール3を加えると「20」が「080xxxxxxxx」の短縮ダイヤルになる。なお、ここで「20」を例示しているのは03-2xxx-xxxxの番号が存在しないから番号が重複し得ないため。

ここら辺の規則で特定の番号にだけつながらない or つながる設定を作ることができる。

サービス情報サイト

フレッツメンバーズクラブのポイントを消化しようとして、「サービス情報サイト」用の設定をしていないことに気づいた。

そもそも「フレッツ・スクエア」がいつの間にか「サービス情報サイト」に名称が変わったり、引越しに伴いフレッツ光(ネクストじゃない方…Bフレッツ含む)からフレッツ光ネクスト(NGN)に変わったりして浦島太郎状態に…。

少なくともNTT東日本管内に関しては、ルーティング情報はフレッツ光ネクストそうじゃない方とで異なる。時々変更されているようだが、多分こんな感じ?

ネクスト

ip route default gateway pp 1
ip route 123.107.190.0/24 gateway pp 2
ip route 220.210.194.0/25 gateway pp 2
dns server select 1 pp 2 any .v4flets-east.jp
dns server select 2 pp 1 any . 
clear dns cache

ネクストじゃない方

ip route default gateway pp 1
ip route 220.210.194.0/25 gateway pp 2
ip route 220.210.198.0/26 gateway pp 2
ip route 123.107.190.160/28 gateway pp 2
dns server select 1 pp 2 any .flets
dns server select 2 pp 1 any . 
clear dns cache

ひかり電話(おまけ)

NTTひかり電話(オフィス用ではない家庭用のもの)で、レンタルされる「ひかり電話対応装置」のいくつかの機種はSIPサーバとして動作しているため、同様の設定でRT58i配下にアナログ電話を収容できる(おおよそsipアドレス:3@192.168.100.1、サーバアドレス:192.168.100.1みたいな設定で)。ISDNを使おうとするとどうなるかは試したことがない。

これによりマイナンバーで3つめ(以降)の番号を取得して、それぞれの番号ごとに通常の電話機を使うことができる。もっともNTTはこういう構成をサポートしないので、サポセンに「アナログ電話を3台以上つなぎたい」と尋ねたら「ひかり電話ではできない(アナログポートを3つ以上持った対応装置を出していない)のでオフィスタイプにしてください」と言われるはず。

この辺のことは「ひかり電話対応装置」の型番などで検索すると試してみた人の情報が出てくるかも。

NVR510に更改

2018年9月にACアダプタが壊れて互換品で延命させていたが、2020年12月にNVR510に更改した。使い方はほぼ変わらないけど。

(2012.04.15 – 2022.01.26)