JJYリピーター

2020.08.29

以前から電波時計の受信状況があまりよくなく、気にはなっていたが最近一層よくないのでなんとかしたいと思っていたが、なんとかするには一般的に何らかのJJYリピーターを設置するくらいしか方法がない。JJYリピーターは、要はJJYが送信するのと同じ信号を電波法に触れない程度の低出力で再送信するもので、一般的に時刻ソースとして以下のようなものが考えられる。

  1. JJY自体を受信し、再送信するもの(窓際なら受信できるが室内には届かない環境でもOK)
  2. GPS信号を受信し、時刻信号をJJYのフォーマットで再送信するもの(空が見通せる場所にGPSアンテナが設置できればOK)
  3. NTPにより受信した時刻を元にJJYのフォーマットで再送信するもの(地下などネット接続環境はあるが、JJYやGPSが受信できなくてもOK)
  4. 商用電源の50/60Hzを元に較正した時刻をJJYのフォーマットで再送信するもの(安定した商用電源さえあればOK)

ただ、そこまでする需要が乏しい(であろう)ことと、業務上時刻の正確さが必要な場合はそもそも家庭用のJJY電波時計に頼ることがないと思うので、ノイズ的に送信させるアイデア(例えばこういう感じの)などを除くと、この種のデバイスは概して安くなかった。が、共立電子が4.に相当するデバイス(P18-NTPAC)を従来より安価に出してきたので、ついカッとなって買ってしまった。

買った後に言う話ではないけど、例えば1.の場合、最低限必要な機能は送信する周波数(40/60kHz)の設定くらいで、3.の場合はネットワークに接続してNTPサーバを指定する機能が必要だけど、4.の場合は1.に加えて最初に正確な現在時刻を与えなければならない。P18-NTPACはその信号の入力用にフォトダイオードのようなもの(「デテクタ」(=検出器)と書いてある)があり、スマホやタブレット等と組み合わせてその画面の明暗(要はモールス信号的なもの)によって時刻や設定の情報を取得するようになっている。このため、本体にはそのデテクタ以外に、情報取得を指示するためのボタン・その受信状況を示す緑LED・時刻同期状況を示す2色LEDしかない。使用するまでに必要な操作(つまり正しい時刻を与え、送信周波数を指定すること)は極めて限定されているとはいえ、よくこんな設計を思いつくもんだなと思ったけど、更に凄いことに後者のLEDは同期後には10秒周期で既定のパターンで点滅し、しかも眩しいくらいの高輝度LEDになっている。これは一応手動調整のためのパターンということにはなっているが、通常運用時は意味がなく、ただ眩しい。

また、PDFマニュアルが大変に読みづらい。これもどうせ最初しか読まないからあまりどうでもいいのかも知れないけど、おそらく、操作手順の説明と動作の説明や注意事項がごっちゃになっていて、取り敢えず動かすためには必須でない情報が途中に書いてあるためではないかと思うけど、しかしそれだけニーズの少ない製品だということは伝わってくる。

ちなみにうちの場合、出力を概ね30%まで落としてもちゃんと同期するが、本当に30%出力になっているかを確かめる術はない。