この記事は多分2008年頃に一通り試しただけで、常用していなかったので参考までに。
前提
WM6 からは DUN(のうちの DUN-GW)プロファイルがない(他の機種で DUN-GW が入ってる奴から抜いたファイルをインストールすると S21HT も DUN-GW として使えるようになるらしいけど、ちょっとね…)らしく、PAN(ネットワーク接続なので、要は ICS を使うことになる)でつながないといけないっぽい。しかしりなざうと Bluetooth 接続した例は大概普通の携帯とで DUN プロファイルを使用しているので、一部しか参考にできなかった。
あとりなざう + Bluetooth なサイトではりなざう側が NAP になっているケースが多いので注意が必要。あくまでりなざうは PANU で S21HT が NAP です(PAN は PANU (PAN User) / NAP (Network Access Point) / GN (Group ad-hoc Network) の3つの役割に分類され、NAP もしくは GN が提供するネットワークを PANU が利用する形態をとる)。で合ってるよね?
使用したもの
- Zaurus SL-C1000
- iriver 製の USB ホストケーブル(何年か前に新品を 380 円くらいで買った。
モバイル専科に行けば相当品が色々置いてある。1500円くらいするかも知れない。これとかモバイル専科は2009年に閉店した) - HTC S21HT (Touch Diamond)
- Princeton PTM-UBT1 (VID:117F, DID:3101)
- こいつ手持ちの USB ホストケーブルのモールドに干渉して刺さらない!のでパス
- Planex BT-MicroEDR2X(VID:0A12, DID:0001)
- こいつは OK。amazon で 1400 円くらいだったような。
- 探してみたところ色々な Bluetooth アダプタが動作しているっぽい。
- 金持ちは CF Bluetooth でも買えば(ほとんど出てないし中古の流通しかないので高い)
方法
試行錯誤しすぎで何が正しいかわからないょー。
- スペシャルカーネルを入れる
- 同じサイトにある「モジュール」も入れる
- bluez-zaurus_2.3-2.4.18d_arm.ipk を入れる
- qtopia-pannetworkapplet_1.0.1_arm.ipk を入れる
- 残念ながらまだ DHCP に対応していない
- resume 対策に
- USB ホストケーブル経由で Bluetooth ドングルを接続する
- この辺で再起動が必要なのかもしれないが確認してない
- hcitool dev コマンドでつないだドングルの BDADDRESS が見えることを確認する。これが見えれば勝利宣言。
# hcitool dev
Devices:
hci0 00:11:22:33:44:55
- 見えない場合は参考のサイトを見て頑張る
- /etc/bluetooth/givepin に PIN を書く。/etc/bluetooth/pin もいじったような…まぁ、同じ PIN を書いとけばいいでしょ。
- S21HT の[設定]→[接続]→[Bluetooth]を開き、[デバイス]タブから新しいデバイスの追加…を選択する
- うまく行けばここで zaurus というのが出てくる。祈る
- さっき指定した PIN を入力したりすると、ペアリングできる
- [モード]で両方チェックを入れると、りなざうで hcitool scan で S21HT が見えるようになる。BDADDRESS が知りたいだけで普段はチェックしてなくていい。っていうかチェックしてると Softbank みたいに自己主張の強い端末になってしまう…。
# hcitool scan
Scanning ...
00:11:33:55:77:99 S21HT
- S21HT で[プログラム]→[インターネット共有]の[PCとの接続]で Bluetooth PAN を選択し、下の[接続]をタップする
- りなざうで pand -c BDADDRESS –service NAP する
- pand -l で以下のように何か出力されればおk。出なければ失敗
# pand -l
bnep0 00:11:33:55:77:99 PANU
- えーと
# ifconfig bnep0 192.168.0.10 netmask 255.255.255.0
# route add -net 0.0.0.0/0 gw 192.168.0.1
- /etc/resolv.conf もなんとかしてね
nameserver 192.168.0.1
- 取り敢えず ZiC!Z(IRC クライアント)はつながることを確認。NetFront とかは一般ユーザで
$ qcop QPE/Network "up()"
してから使う。
qtopia-pannetworkapplet_1.0.1_arm.ipk を使う
- ここまでうまく行ったら、おまじないのためにりなざうを再起動する
- りなざうの[設定]→[ネットワーク設定]で[無線LAN]になっているタブをタップし、[PAN – TCP/IP]を選択する
- [追加]ボタンをクリックし、適当に追加する
- このバージョンでは固定 IP しか使えないので注意
- NAP Device には S21HT の BDADDRESS を入れる
- タスクバーの地球のアイコンをタップして接続する
- 普通に使う
ただし、
- 手動で pand -c とかやった後だとうまく行かない。りなざうの電源を OFF/ON すると直ることが多い
- 地球のアイコンが出ない…原因不明。再起動すると直ったり直らなかったりする。手動で我慢してください
メモ
sdptool
hciconfig -a
l2ping 00:11:22:33:44:55
- qcop ほげの部分は、QPE? が持っているネットワーク接続機能を使わずネットワーク接続するから必要になる。
- 無通信でもないのに気付いたら接続が切れていることがある。これには
- S21HT の ICS の DNS が死ぬ
- S21HT の ICS が勝手に切断完了になる
- S21HT の Bluetooth が死ぬ
など色々な原因があるようで、取り敢えず ping と l2ping をし続けておくと比較的安定することがわかった。ping 可能ということは L2 の疎通は当然取れていることになるはずだが、なぜか ping だけだといまいち安定しない。おまじないなので細かいことを気にしてはいけない。
#!/bin/sh
while true
do
trap 'echo exit.;exit' INT
sudo l2ping -c 1 00:11:33:55:77:99
sleep 10
ping -c 1 your.home.example.jp
sleep 10
done
trap なんてしなくてもいいと思うのだが、なぜかしないと C-c で終了してくれない…。
参考
- http://blog.livedoor.jp/ochan36/archives/cat_50033191.html
- http://www.areanine.gr.jp/~nyano/slc-760+a5504t.html
- http://www.coder.jp/~zaurus/pan.html
- http://my-zaurus.narod.ru/bluetooth.html
- http://hollyhock.s26.xrea.com/html/slc3100/bluetooth_pan2.html
電池の減りについて
元々 Windows Mobile 機は電池の減りが早い。カタログ上の連続待受時間はサスペンド状態の値。
- page 177 8.2 ワイヤレスLAN
ワイヤレスLANのオン/オフを切り替える - page 312 13.11 電池を節約するには
- page 320 故障と思われる前に
電池の持続時間が短い
あたりはいちおう確認しておいた方が良い。
ワイヤレス LAN と Bluetooth は同じ周波数帯を利用しているため、 片方のみ使うのであれば、他方はオフにしておけば干渉が減る。
(2010.03.29 – 2010.07.10)